イラク戦争15年に寄せて⑤
相手のことを知ってみることで気がつくことがたくさんあります。
イラクってどこにあるの?イスラム教ってどんな宗教?どうして戦争がおこるの?
日本の暮らしの中で浮かんでくるシンプルな疑問に触れてみると
世界とつながるきっかけを誰しもが手にすることができます。
私にとってもイラクとつながるきっかけはそこにありました。
イラクとこれからも関わっていきたい。
いつもそう想っています。
渡部陽一(戦場カメラマン)
イラク戦争では日本も参戦国です。日本政府は米国を全面支持し、自衛隊の派遣を行ない、戦争遂行のため、数千億円のカネを準備しました。そのことを日本人は忘れてしまったのでしょうか。今も犠牲となっている多くのイラクの人びとに対する責任は、私たち一人ひとりにあります。私たちは何をすべきなのか。私たちの責任を果たすため、考え続け、行動していきましょう。
野中章弘(ジャーナリスト/大学教員)
このメッセージを書いている今、イラクにいます。 モスルの街は「イスラム国」とイラク政府・有志連合軍の戦いで破壊され、 イラク政府によるクルド自治政府への制裁で緊張状態が続き、 民族、宗教の間の関係もさらに複雑になっています。
そして隣のシリアではアフリンのクルド人がトルコ軍に攻撃され、 ロシアが支援するアサド政権によって東ゴータ地区が激しい空爆にあっています。
次から次に起こる出来事に、イラク人にとってイラク戦争とは、どう思い出すものなのだろうと考えます。イラク戦争の記憶もない、その後の混乱が日常の若い世代も多いように感じます。 日本を含め掛け違えたものは何だったのか。今の状況を見間違わないためにも・・・
伊藤めぐみ(映画『ファルージャ』監督)