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イラク戦争15年に寄せて③

生と死の狭間の15年。

戦乱や混乱の傷跡を抱えつつ、イラクの人たちは前に進もうとしている。 ならば、私たちはその戦乱や混乱の傷跡を見つめつつ、 日本とイラクの過去と未来も見つめる必要がある。

綿井健陽(ジャーナリスト・映画監督)

イラク戦争では自衛隊をイラクに派遣し、自衛隊は米軍の「テロとの闘い」を支えました。

イラク戦争で犠牲になった市民は65万人とも言われています。

私たちは、かけがえのない、多くのイラクの市民の生活を、人生を、命を奪う立場に、

アメリカと一緒に立ちました。

いまなお、憎しみと悲しみの連鎖が拡大しているイラクの市民に対して、

私たちは加害者としての責任を負っているのではないでしょうか。

憲法改正が現実味を帯びてきた今こそ、イラク戦争でなぜ私たちは加害者となったのか、

どのような加害を犯したのか。

その問い直しをしていくことが必要なのではないでしょうか。

同じ過ちを繰り返さないために。

さらに大きな過ちを犯さないために。

川口創(弁護士・イラク派兵差止訴訟弁護団事務局長)

僕にとってベトナム戦争がそうだったように、イラク戦争も今の若い人たちにとっては「過去の歴史上の出来事」の一つに過ぎないのだろう。

しかし、この戦争が世界に残した傷跡はあまりにも大きい。

2003年3月20日、アメリカは国連安保理決議によらずに、

有志国を募ってイラクを先制攻撃した。

この日から、自衛以外の武力行使は安保理が認めた場合に限定されるという国連憲章に基づく世界秩序は崩れた。 日本政府はこのアメリカの行動に、真っ先に支持を表明した。

アメリカが北朝鮮に対する「予防戦争」をオプションの一つに入れている今、

15年前の日本政府の選択を悔いる日がやってくるかもしれない。

なぜ、あの時、同盟国の過ちを止めなかったのか、と。

我々はまだ、あの時に壊された世界の秩序を修復できていない。

布施祐仁(ジャーナリスト)


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