イラク戦争15年に寄せて②
イラク戦争前、イラクのこどもたちには笑顔がありました。
しかし、国連の経済制裁によって、市民の暮らしは厳しいものでした。
医薬品は手に入らず、助かるこどもたちが次々と亡くなっていきました。
十分な食べ物もなかったのです。
私は、大量破壊兵器を作れる経済力が無いことを取材をしていてよくわかっていました。
アメリカは平和を愛する世界の世論を無視して戦争に突入しました。
日本は真っ先にアメリカの侵略戦争を支持し、自衛隊を派遣しました。
あれから15年、出口の見えない混乱の責任の一端は私たちにあります。
イラクのこどもたちに笑顔を戻すために私たちは何をしなければならないのか?
あのとき戦争を止められなかった私たちの責任を考え続けなければなりません。
森住卓(フォトジャーナリスト)
イラク戦争が始まる1ヶ月前、イラク・バグダットで戦争反対の声を上げた。
あの時、出会ったイラクの人々が今どうしているか、果たして生きているのか、
それすらも私にはわからない。
あの戦争から15年。
私たちにできること、すべきことを改めて考えたい。
雨宮処凛(作家・活動家)
イラク戦争。これは衝撃だった。
なにより、すべての国民が投票できるようになった民主国家日本で、
初めて戦争に参加し米軍の武器などの輸送支援に一歩踏み出した事。
そして、自己責任という言葉を政府の記者会見で口にし日本中の世論を転換させた事。
その年の流行語大賞で自己責任をノミネートさせないようにしたこと。
そして、直後の総選挙の争点が戦争に参加した是非ではなく、郵政民営化だった事。
メディアからの情報に振り回され、国民が大切な選択や判断をできなくして、
多くの中東の子どもたちの命が奪われたことに、加害者側として意識しなかった。
このイラク戦争は21世紀、いや人類史上最後の戦争にしなければならない。
アメリカやロシアのきな臭い動きは今後もあるだろうが、
日本社会が、日本の政治が、日本のメディアがより良いものに発展し、
平和なアジアと地球になるよう、少しずつ少しずつ無関心から一歩踏み出す若者を広げ、
未来ある22世紀へ迎えるようひきつづき頑張りましょう。
イラク戦争から15年となるこの企画に大いに賛同します。
現場で活躍するNGOやジャーナリストやボランティアの存在が日増しに大きくなる中、
日本では過小評価され残念でなりません。引き続き皆さんの情報や支援が将来の力になっていくので頑張ってください。
小玉直也(特定非営利活動法人アースウォーカーズ代表理事)